―流星の追憶― 

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テラタタ子供時代 story-1


どうも、星詩です。ちょっとお久しぶり…かな?
8月頭から、少しの間旅行に行ったりしてました。相変わらずパソコン無いですが元気です^q^
軽く浦島太郎状態ですが…!

某さんとこの鷺さんお題が気になる…|ω・)





唐突に追記からSS。メテオスです。
テラとタータの話を、、今度はちょっとシビアな味付け(?)を加えて、
彼らの子供時代から含めてそれなりの長編で書きたいなぁと思ってるんですが、
せっかく良い感じにまとまってきてるのに、
サイト更新できないからって書けないのももったいなぁと思いまして。
ブログで、ゆるく書いてみることにしました。
サイト更新できるようになったら、ちゃんと清書してアップしなおす予定です。

…あ、あれ、なんか凄いテンション低いみたいな文章になってるななんだこれ
顔文字使ってないからか!父さんのパソコン登録してないんだよ顔文字!うわあ!
ま、まあいいや…


そんな訳で、追記からー。
一応毎日ちょっとは書けたらいいなぁと思ってます。
少しの間、お付き合いください。
途中で挫折したらすいません^q^
時々は気晴らしで鷺SSをはさんだりするかも。


タイトルはまだ未定。
色々不親切設計かもしれません、すいません…;;

テラの少女時代。まだ7歳の彼女。
彼女の人生の一つ目の分かれ道、の、数日前の話。
 

 
 




我ら地上族の赤き血は

誇り高き天の赤

彼ら地下族の黒き血は……




 小さな村の、小さな広場に、創世神話の朗読が響く。
 古びた革表紙の本を手に、腰を屈めた初老の宣教師は、震えながらも力強い声で、遠い昔から語り継がれてきた彼らの物語を、読み上げていた。
「皆、肝に銘じて置くように」
 声の調子を変え、老人は本を閉じた。彼の視線の先には、村の男たちが手に各々の武器を持って、緊張で顔を青ざめながら、整列していた。小さな広場にようやっと入りきったという具合で、かなり窮屈そうに肩を寄せ合っている。まだどこか幼い顔立ちを残した若い者から、髪を真っ白にした壮年の男まで、村中の男のほとんどがそこに集まっていた。腰が曲がり、ゆっくりとしか歩けない老人たちは、広場の隅に座り込んで、積み上げられた弾薬や、食料や(弾薬の隣に積まれたそれは、弾薬の山に比べてあまりにも小さかった)血止めの薬草などを一まとめに束ねる作業に、黙々と没頭している。
 宣教師は片手を挙げ、天に向かって手のひらを開き、乾杯を捧げるような仕草をした。そのまま、ゆっくりと腕を降ろして、指先を額につけると、目を閉じた。彼が祈りの言葉を呟くのに合わせて、広場に集っていた男たちは、宣教師とそっくり同じ動作を繰り返した。
「――もう、皆、分かっていると思うが」
 眉間に深い皺を刻み、宣教師は首を振った。
「地下の民は水を従える。我らの土地に雨が降らぬのも、井戸が枯れるのも、彼らが水の流れを支配するがため。我らは天の太陽に守られた民。地下の民のように、水を毎日摂取する必要など無い。しかしそれでも、水を飲まねば生きられぬ。明日の日を数えると共に、雨が降らなくなってちょうど1年になる。――あの哀れなヒースが」
 彼の声が沈んだ。男たちが、声にならない呻きや、ため息をついて、俯いた。
「我らの為にと飛び出していったのが一月と六日前だ。我らを思って、一人で地下の民の住む穴に…」
「もういい、もうよせよ、ディセンタール! 今更繰り返さなくたって、皆分かってんだろう!?」
 ふいに、痰が絡んだような怒鳴り声が上がった。つばの広がった帽子を目深に被り、ほとんど表情を隠した壮年の男が、俯いたまま、肩を震わせていた。
「ヒースは、あの、忌々しい野蛮人どもに、殺されたんだよ! 俺の息子は野垂れ死ぬような奴なんかじゃねえ、殺されてねえならとっくに帰って来てるはずじゃねえか!」
「ロナール、落ち着け! ヒースはまだ死んだって決まった訳じゃ…」
「水も持たずに出かけて、一月過ぎて、生きてる訳ねえだろうが!!」
 彼の声は、ほとんど悲鳴に近かった。空を切る音を立て、腕を振り回す彼と、彼を止めようとする者とで、広場が一気にざわめきに包まれていく。

 ――ガチャン、と乱暴に窓を閉める音が耳元で響いて、カーテンに隠れて窓に張り付いていたテラは、びくりと肩を竦ませた。我に返ったように辺りを見回し、いつのまにか背後に立っていた母と目が合うと、ばつが悪そうな表情を浮かべて、俯いた。
「子供がこんな話を聞くもんじゃないよ」
 ぼそり、と、感情を抜いてしまったような声音で呟くと、母はテラの頭をぺしんと叩いた。
「盗み聞きは命を縮めるって言ったろう、え? 全くもう……刺繍は終わってるんだろうね、テラ?」
「…うん。父さんのマントもベストも、ちゃんと縫ったよ」
「どれ、見せてごらん」
「ん」
 母の表情が少し柔らかくなったことに安心しながら、テラはベッドの上に畳んで置いてあった厚手のマントを、そっと持ち上げた。さっと広げると、地面と同じ色の布地に、鮮やかな赤い太陽の刺繍が翻った。纏ったら、ちょうど肩甲骨の辺りに来る辺りだ。受け取った母が、満足そうに笑みを浮かべた。
「上手くなったじゃない、テラ。これなら大丈夫だ」
「ほんと? 父さんのこと、守ってくれるんだよね?」
 顔を上げると、テラはぱっと表情を輝かせた。母は、頷いて、歌うように調子をつけながら、ぽんぽんと太陽を撫でた。
「太陽のお守りを祈っての刺繍だよ。太陽を纏う者、太陽に守られ、闇に狙われることはなし、って訳さ」
 それは、この地方の地上族に伝わる、旅の安全と、身に纏う者の幸運を祈る、古くからの習慣だった。真っ赤な糸で、独特の文様を刻みながら描かれる太陽は、旅人の纏う衣装全てに、旅人に近い者の手で刻まれる。――本来は旅立ちの安全祈願の意味しか持たなかったはずのそれは、いつしか、戦いに旅立つ者の身の安全を祈るお守りとしても、刺繍されるものになっていた。
「私、すっごく丁寧に縫ったんだよ。父さんが怪我しないようにって」
 母のエプロンの裾を掴み、一生懸命に見上げながら、テラは誇らしげに胸を張った。寺の、女の子にしてはちょっぴりぼさぼさの短い髪を、母は笑いながらくしゃくしゃと撫でて、言った。
「父さんが喜ぶね。さ、それじゃそっちのベストもちょうだい。明日の朝には出発だって言うんだから、準備するにも今夜一晩しかないからね……」
 頷いて、同じように刺繍を施したフェルト地のベストを、テラはそっと母に手渡した。
「母さん」
 ぽつり、と小さく。
「……父さん、どれくらいで帰ってくるかな」
「地下の民の住処まで、馬の足で2日かかるって言うからねえ……二週間くらいで帰ってきてくれりゃ良いんだけど。一月は掛かるかもしれないよ」
「そんなに掛かるの? だって、村長さんが、わしらは強いから、地下の民なんて簡単にやっつけられるって言ってたよ」
 口を尖らせかけて――母の表情が厳しくなったことに気づいて、テラは慌てて表情をまじめなものに戻した。無言のまま母は窓へ視線を向けると、溜息をついた。
「……そんなことまで聞いてたのかい」
「だって……、村の人みんな、言ってるから」
「…まあ、そうだね。聞くなって方が、無理か……」
 二階にあるテラの部屋からは、道一つを挟んで、広場がよく見通せた。窓に遮断されたのもあるが、もう、男たちは落ち着きを取り戻したのだろう。ざわめきはほとんど聞こえてこなかった。先ほど叫んでいた男、ロナールも、今はすっかり大人しくなって、広場の石畳に蹲っている。何人かが傍らに膝を付き、その細い背中をさすってやっていた。他の男たちは、静かに、老人たちが纏めた旅の荷物を分配する作業に回っている。
「敵討ちなんて、人死にが増えるだけだろうに」
 母の声は、あまりにも微か過ぎて、テラの耳には聞こえなかった。

日記 |
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